今回はフィジカル理論、実験結果の共有記事。

『全身を緩める』という視点は、長友選手が発言し始めるようになって以来サッカー界でも注目度の高いテーマだ。その具体的な身体の緩め方としてまずはじめに思いつくのは‘‘ストレッチ’’になるわけだけど、『緩める』という意味において一般的に行われているストレッチは、実はかなり効率の悪い。

というわけで、今回は『緩める』というテーマで、より効率的に全身を緩めていく方法について書いていきます。たった一回実践してもらうだけでも、びっくりするぐらいの変化を感じるはず(笑)

筋肉を最も脱力させる『水中』という環境

筋肉の柔軟性を上げる方法として、めちゃくちゃ効率が良いのがプールなどで行う水中運動だ。水中という環境は、その浮力によって陸上よりも全身が脱力される。そして、筋肉には力を抜けば抜くほど伸びやすくなるという性質がある。これを使うわけだ。

一方、陸上でどんなに力を抜こうと試みても、重力が働く中で一定の体制を維持するには、どうしても多少の‘‘力み’’が必要になる。その力みを、水の浮力を使って軽減させてやる事で、筋肉は陸上にいる時よりも伸びやすくなる。この原理に関しては、すでにいくつかの実験も存在しているので、その中のわかりやすい一例を、以下に貼り付けておきます。

国際武道大学の山本先生の研究資料http://trainer1985.kir.jp/articles/aqua_conditioning_tokushu_ni_atatte.html

具体的な方法としては、自分も様々な方法で実験を重ねたけど、やはりここにお出ているように、静的なストレッチよりも、ダイナミックストレッチ等の身体を動かしながら行う動作の方が効率は良い。この事は、実際に水中運動を試してもらえれば、誰にでもすぐに気がつく事ができるほど、顕著に違いを実感する事ができるはずだ。

掲載したページの実験データ

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(ダイナミックストレッチの伸び率が非常に良い)

現在自分は週に2回ペーズでプールに通い、水中での動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)を行ってる。実際にこの理論にたどり着きプールに通い始めて2年が経過したけど、全身の柔軟性は2年前と比べても格段に時向上した。それには、確実に水中運動の貢献がある。

試合前のアップには最適な運動。

特に、プールでのダイナミックストレッチは試合当日の準備として、非常に優れた効果がある。専門的な話になるが、筋肉というのは力を入れながら引き延ばす‘‘エキセントリック’’と言われる動作によって、一定時間のパフォーマンス低下をもたらす。陸上選手がレース当日に静的ストレッチを行わないのはこのためなわけだけど、このエキセントリック的な動作が、水中運動では限りなく少ない。筋肉にダメージを残す事なく、全身を緩める事ができる。

さらに、一般的なストレッチ等では、脚、腕周辺の筋肉は効率よく緩める事ができるものの、体幹部を緩めてくれるような動作が少ない事が多い、緩める事ができる箇所に必ずムラができるという問題がある。

この点、水中での運動は、本当に全身をムラなく緩める事ができる。それは、高い浮力によって陸上ではでき無いような動作、体制も、容易に作る事ができるからだ。例えば、全身を緩めるために非常に効率の良いドルフィンキックのような動作は、陸上では決して実践することはできない。

全身の筋肉に刺激を入れ、かつ全身の関節もしっかりと稼働させるドリフィンキック。僕らはここまで丁寧なフォームで行う必要はないので、プールサイドに捕まりながらドルフィンキックっぽい動作を取るだけで十分。40回程度のドルフィンキックで、体幹部の筋肉をかなり緩める事ができる。

たった一度だけでの水中運動でも、固まった身体がほぐれていくのを明確に実感する事ができるので、試した人は大体驚いた顔をしてくれる。