前回の資料で書いた様に、ミスというのはミスのシーンを集めれば集めるほど、多くのミスは身体の構造上、決まったパターン下で発生している事がわかります。

パターン化されたミスを生み出している身体の構造を突き止めた時、それがトレーニングによって改善しやすいものであれば良いのですが、骨格に代表される様な後天的に改善が困難なモノであるものも無数に存在します。

この様な場合、肉体改造によって改善の努力を続けながらも、ゲームの中ではその動作を回避してプレーする事を覚える事が最善の作となります。

【身体の構造上の問題が発見された時の選択肢】

・肉体改造によって身体に手を加える。(改善)
・なるべくその動作を避けながらプレーする。(回避)

 

🔴具体的な例

例えば、私の場合左に比べ右股関節の開きが悪いため、身体の向きを変えずに100°以上の角度で右にパスを出すと、ミスが起こる確率が高くなります。

また、どの選手でも当てはまる例として、近年陸上界注目を浴びている4スタンス理論も見逃すことはできません。身体の使い方のタイプを表す4スタンス理論は、まだまだサッカー界のフィジカル理論とはうまく結びつくことが出来ていない様に見えますが、研究によってどの様な構造がどの様な癖を産むのかが解ってきました。

例えば、身体をひねって使うクロスタイプと、上下に折りたたんで使うパラレルタイプとでは、フィットするシュートフォームも、キック制度の上がる助走角度も全く異なります。

短い動画を作りましたので、ご覧ください。

はじめに登場するベッカム選手とコウチーニョ選手は身体をクロスさせる事で力を発揮する構造を持っています。そのため、シュートを打つ際も深い助走角度が必要とされます。

特に、初めのベッカム選手は自分の成功しやすい助走角度を理解しているのか、わざわざ助走角度を取り直すシーンも見受けられます。まさに、身体の構造に沿った判断を下している選手と言えます。

この二人と対照的な構造を持つのが、クリスティアーノ・ロナウド選手です。彼は身体をまっすぐ折りたたむ事で力を生み出す構造を持っています。そのため、助走角度が大きい時にゴールにばかり強烈なシュートを打つ事ができています。

 

🔴身体の構造に逆らったゴールは全ゴール中1〜2割程度しかない

面白いことに、一般的な選手はキャリアの中で、この4スタンスのタイプに完全に逆行したと言えるゴールは全体の1〜2割程度しかありません。(Cロナウド選手で言えば、浅い助走角度でのミドルシュート等)つまり、自分の身体の構造を知り、その構造に沿った選択肢を増やしていくことでプレーの成功率は格段に向上するのです。

身体をひねって使うタイプの選手はボールを横におく事でキック精度が上がり、まっすぐ折りたたんで使うタイプの選手は狙うポイントと助走の角度を浅く取る事でキックの精度が上がります。

このように、選手自身が自分の身体の特性をしっかり頭に入れる事で、改善に着手しないと決断したものに関しても、『構造上、ミスが発生しやすい動作』を選手自身が知るだけで自分で『判断』という対策が打てる様になります。

ゲーム中のミスを減らす方法は『訓練をする』『身体の構造を変える』の他にも『ミスが起こりやすい動作を知る』という解決策が存在します。選手個人個人が自らの身体の特性を知る事で、ミスを減らす事ができるのです。