30歳という年齢で現役を続けていると、『20代と30代とでは、最適とされるトレーニングは全く異なるのだな』とよく思う。30代は20代の頃より怪我もしやすくなるし、筋肉もどんどん硬くなっていく。

30代となった選手たちがトップレベルを維持するためには、20代の頃と比べ具体的何がどう変わってくるのか?を様々な資料や実験から分析し、明確に『落ちていくもの、伸びていくもの』を区別してトレーニングを行っていかなけらばならない。

30代の活躍、もはや珍しくない。

30代ににさしかかった選手の多くは、肉体維持のために様々なトレーニングを試みるわけだけど、俺としては、具体的に何がどう変化してパフォーマンスが下がっていくのか?をしっかりととらえた上でトレーニングを行っていけば、維持どころではなく、30代で全盛期なんてことも十分に考える事ができると思っている。

現に、俺は30歳になるわけだけど、自分の身体能力は過去の中でも最高の状態であると思っているし、まだまだ発展途上で多くの伸びしろを感じる。

どの部分が伸びて、どの部分が落ちて行くのか?

ここをしっかりと捉えてトレーニングを行えば、サッカー選手の全盛期は最低でも5年は伸ばせるんじゃないだろうか。先日のニュースで、長友佑都が『自分は若手だと思っている』と、練習後にさらに自身で走り込みを追加したという記事が載っていたが、それは、しっかりと考えられ、作り込まれたトレーニングを自身に課しているため、『落ちてきたな』という自覚が全く本人に無いからなんだろう。

何より、スポーツ医学が凄まじく発展している現代において、もはや30代で活躍なんて話は、全く珍しい話じゃない。それは様々なデータを見るだけでも、しっかりと確認が取れる。

例えばバロンドールの2017年ランキングを見れば、1位〜5位の間になんと4人もの30代の選手がランクインしている。

▼1位
クリスティアーノ・ロナウド(33歳)
▼2位
リオネル・メッシ(30歳)
▼3位
ネイマール
▼4位
ジャンルイジ・ブッフォン(40歳)
▼5位
ルカ・モドリッチ(32歳)

もちろん、これはこれまでの功績やリーダーシップなども考慮される可能性があるため、経験豊富な選手ランクインする可能性は高いかもしれない。しかし参考となるデータは他にもいくらでも存在する。

たとえば、日本代表の歴代W杯メンバーの平均年齢も、ここ20年で大きく上昇した。98年大会や、2002年大会の平均年齢は、今の時代では考えられないくらいの若さだ。歴代の日本代表を今年のロシア大会の平均年齢ランキングにぶち込むと、それがよくわかる。

ロシア大会の平均年齢ランキングに、過去4大会の日本代表の平均年齢を追加したもの。

1位 コスタリカ 29.6歳
2位 メキシコ 29.4歳
3位 パナマ 29.3歳
3位 アルゼンチン 29.3歳
5位 エジプト 29.0歳
6位 ロシア 28.8歳
7位 サウジアラビア 28.7歳
8位 ブラジル 28.6歳
8位 日本 28.6歳
8位 アイスランド 28.6歳
11位 スペイン 28.5歳
12位 ポルトガル 28.4歳
13位 ポーランド 28.3歳
14位 スウェーデン 28.2歳
15位 ウルグアイ 28.1歳
15位 オーストラリア 28.1歳
15位 コロンビア 28.1歳
18位 クロアチア 27.9歳
ブラジル大会日本代表27.8歳
19位 韓国 27.8歳
20位 ベルギー 27.6歳
ドイツ大会日本代表27.4歳
21位 ペルー 27.4歳
22位 イラン 27.2歳
22位 スイス 27.2歳
22位 セネガル 27.2歳
22位 モロッコ 27.2歳
26位 ドイツ 27.1歳
26位 デンマーク 27.1歳
28位 セルビア 26.8歳
29位 チュニジア 26.5歳
30位 イングランド 26.0歳
31位 フランス 26.0歳
32位 ナイジェリア 25.9歳
日韓大会日本代表25.3歳
フランス大会日本代表25.3歳

20年前、16年前の日本代表チームがロシア大会に出場したならば、ダントツの若さということになる。しかもこれは、あくまで代表に登録されている選手の平均年齢で、実際にスタメンを飾っている選手のみに限定すれば、平均年齢はもっと高くなる。※現在の日本代表の平均年齢をスタメンのみで計測すると30歳に(川島、吉田、牧野、長友、酒井(宏)、長谷部、山口、本田、原口、乾、大迫)

『30代は落ち目』という考え方が、一番選手のパフォーマンスを落とす

だから、俺は30代の選手が引退を考える必要なんて全くないと思ってるし、当たり前に20代のパフォーマンスを越える事ができると思う。30歳にさしかかったくらいでパフォーマンスが落ちるなら、それは情熱が消え去ったか、全く頭を使わず20代と同じトレーニングをやっているだけか、そのどちらか。

30代に差し掛かると身体が硬くなったり、長いウォームアップが必要になったりと、20代と比べてマイナスな変化も確かにある。しかし、長い時間試行錯誤しながらプレーをしてきたその経験は、年齢のマイナスをはるかに凌駕する。長いサッカー人生の中で得た知識、経験をフル活用すれば、30代前半で訪れるマイナス面など、20代より100グラムだけ重いスパイクを履いている程度のハンデにすぎない。